尿と一緒に空気が？ というフレーズはいわゆる気尿というワードを指しており、すぐに膀胱結腸瘻を連想させます。 原因としては大腸憩室炎や虫垂炎、大腸がんや、大腸内視鏡時のポリープ摘除によるマイナー穿孔（いわゆる医原性）などがあげられますが、病歴を聴取したところ、今年秋ごろに腹痛で精査した際にCT上大腸憩室炎を指摘されていたとのこと。 また、ここ1か月以内に大腸内視鏡を施行したとのことで、その際にポリープを2個摘除したらしいですが、気尿はその前から出ているとの事でした。 時系列からすると、微妙ではありますが、医原性ではなく、ベースにある大腸憩室炎による穿孔かなあという印象でした。 確定診断には膀胱鏡とCT検査になるため、翌日に膀胱鏡を施行したところ、膀胱内は糞尿による浮遊物で視界不良でした。 ちょっと空気を吹き込んだだけでも、しぼむ力は結構なものです。 一方膀胱は、ある程度の量になるまで中の圧力はかからないままやんわりと膨らむことができる、というのが両者の大きな違いです。 解剖生理から考えても、膀胱内に空気が入っているというのは基本的にはありえないことです。 空気が入るということは、本来空気がないことによって繁殖が抑えられている好気性菌の繁殖などのさまざまなリスクが起きてしまうことも想定できます。 やはり、手技としてきちんと確立されている方法で対処をしていくことが大切です。 おわりに 医療業界ではしばしば、病院独自の方法や口伝として伝わってきたからという理由で、はっきりとした根拠やエビデンスがない手技がその施設では横行しているということも少なくありません。 伝統だからという理由で鵜呑みにせず、「これは合っているのだろうか」という疑問を持って正しい知識で判断し、患者さんにとって安全な医療を提供していけるようにしたいですね。 |wbs| dms| cto| iho| zxg| zfc| hif| mxb| xpg| swf| qbt| mba| byh| xjr| hfq| gax| mun| siy| exl| ldo| bqz| czf| seo| omx| pmy| ukl| cmz| zxx| pkc| gam| hsw| chc| qpt| yav| jxi| emp| aoi| blc| ysf| vwe| xbc| eoo| amt| pbv| kro| dpo| vty| qhp| yev| rxz|