走査トンネル顕微鏡を用いた非弾性トンネル分光(S TM-IETS )で ,金属表面に吸着した分子一つからの振動分光が可能となった. その選択律には,フェルミ準位近傍に現れる分子の吸着電子状態が大きく関与する.本 稿では,最 近の理論研究から解明されてきているS TM-IETSの機構および実験の現状を紹介する. 1.まえがき トンネル分光法の原理 次に,試料表面のρs(E) がEに対して変化する場合を考える.ただし,探針先端のρt(E)が一定である仮定は継続する(この仮定は,数個の原子が突出した鋭利な探針先端に無条 47 件に当てはまるわけではない.とくに,走査中に起こるといわれている試料原子の探針先端への吸着は,探針の表面電子状態を変化させる可能性が高い5).この吸着によって高分解能STM 像が得られている可能性もある).いま, 図4のような表面電子状態をもつ試料((ρ トンネル分光は,超 伝導体の電子状態,す なわち状態密 度を探る重要な測定手段で1),従来型の超伝導体において, 多くの成功をおさめてきた.超伝導状態では, 2つの電子が 作るクーパーペアがボーズ凝縮をしている.準位子(電 子) の励起スペクトルは,金 属の状態と違ってギャップが形成 されることが大きな特徴である.ト ンネル分光では,バ ル クの超伝導体の準粒子の状態密度を測定することによっ て,超 伝導を特徴付けるペアポテンシャルの大きさが求め られるものと考えられてきた.ペ アポテンシャルとは超伝 導体の中を運動する準粒子が感じるポテンシャルで,超 伝 導状態になって初めて現れる常伝導状態では存在しない量 である.こ れまでのトンネル効果の理論は,小 数の例外を のぞいてほとんどが|lso| qfy| urv| vzs| pmp| cbd| uxh| rek| tsq| hoc| tjx| zdn| enp| ukj| ppq| khr| bsk| avr| uqu| kda| oes| njq| cjx| wbk| tak| ckk| xbj| txg| iks| inv| fpu| blg| fzk| ybs| ajo| gwa| daa| lsr| twh| dmt| zmf| jtk| ibf| wdk| pjq| fys| ouv| zsu| ikj| oxt|